
この中に自分が居るかもしれない
本作品展【僕らの自画像】の作品はなんとも他愛の無いモノばかりです。というのも、これは歩きスマホを模しただけの高さ15センチほどの人形たちだからです。そして、ただ数が多いだけ。およそ千体はいます。それだけの話です。
それはそうと、皆さんは自画像というとどんな作品を思い浮かべますか? 鏡を見ながら画家自身が自分の顔や上半身を描いたような感じでしょうか。確かに一般的には自身を描いた絵のようです。
一列に並んだ人形たちはまるでSF映画にでも出てきそうなクローン人間のように見えます。そんな彼らは隣の人と寸分違わず同じ仕草でスマホに見入っています。一体何を見ているのでしょうか。とても気になるところです。
彼らを俯瞰することによって、言ってみれば僕たち自身を傍観者目線で客観的に見る事が出来そうな気がします。
「もしかすると、この中に自分が居るかもしれない」
そう思うと、不自然なほどに整列した、薄気味悪い彼らですが、つい親近感を覚えるのではないでしょうか。
唯一、他人と違うところは、着ている服とそれぞれに割り振られた識別番号。これだけが個人を特定出来る要素になります。しかし、この番号は結局のところ、誰かが僕たちを管理しやすいというだけの話です。
とにかく、スマホという文明の利器の前では皆同じ仕草でなければいけないのです。これがネット社会の中で生き続ける僕たちの宿命ともいえます。
したがって、ここで一人でも違う仕草をすると、その人はすぐ仲間外れにされてしまいます。整列した彼らから自然発生するSNSを介した同調圧力からは、もはや誰も逃れることはできません。
つまらない話ばかりしてしまいましたが、そんな能書きは横に置いておいて、皆さんは本展を見た瞬間、直感的にどう感じましたか。
ここで何かを感じていただけたならそれで十分です。別に芸術家がよくカッコつけて使いたがる小難しい美術専門用語で語らなくても構いません。最も大事なものは見た、その瞬間の感覚です。
<会場挨拶文抜粋>
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僕らの自画像
前川ただし作品展
■開催日時/2021年4月8日(木)~4月13日(火)
______11:00~18:00(最終日は16時終了)
※うつわ、カップ等を展示・販売いたします。
※全日作家在廊
■ご来場の際は、マスク着用、手指の消毒等の感染予防対策に
_ご協力頂きますようお願い致します。
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アート・クラフト表現空間 VOLVOX
三重県津市栄町1-888 四天王会館1F
www.volvox-stnk.net
■公共交通機関 JR・近鉄津駅より徒歩10分
■自動車 伊勢自動車道津ICより10分
[お願い]
できるだけ公共交通機関をご利用ください。
会館駐車場は台数に限りがあります。
満車の場合は近隣のコインパーキングまたは
駅周辺の大型駐車場をご利用ください。
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